自分に合った高齢者施設選び方のステップと5つのポイント

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老人ホーム(高齢者施設)には多くの種類があり、それぞれの特徴や役割が違っていますが、同じ種類の施設であっても、特徴が異なる場合があります。心身ともに元気なうちから資料請求をしたり、施設を見学して回ったりして、いろいろな施設を知っておきましょう。

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自分のための施設選び方のステップ

施設選びの進め方としては、次の8つのステップが基本となります。

施設選び8つのステップ

まずは、自分の体の状況がどんな状況なのかを把握しましょう。体の状況によっては、入居できる施設と入居できない施設があります。次に、自分自身や配偶者がこれからどんな生活を送りたいのか、じっくりと考えましょう。たくさんの人に囲まれて生活を送りたいでしょうか。また、都会に住みたいでしょうか。あるいは自然に近い場所に住みたいでしょうか。それから、気になる施設を検索して資料請求をしましょう。そして、資料を見てそれぞれの施設の特徴を比べて施設を絞り込んでみましょう。もし、気になる施設があったら実際に足を運んで見学してみてください。また、気に入った施設の諸費用と自分の工面できるお金から、入居時と日々の生活費のやりくりができるかどうか計算しましょう。可能であれば、契約前に体験入居して自分自身に合うかどうか確認してみましょう。そして、最後にこの施設で暮らすと決断されてから申込み、契約を結ぶようにしましょう。上記を簡単にまとめると次の8つのステップになります。

  1. 自分の体の状況の把握
  2. どんな生活を送りたいか
  3. 施設検索と資料請求
  4. 施設の机上比較
  5. 施設への見学
  6. お金の算段
  7. (体験入居)
  8. 申込・契約

自分のための施設選び6つのポイント

施設選びのステップのどれもがポイントなのですが、ついつい、施設の雰囲気や建物の印象に心を奪われて、感覚で決断してしまいがちになってしまいます。でも、単に感覚だけで決めると、「こんなはずじゃなかった…」とか「もっと他の施設も探せばよかった…」と後悔することにもなりかねません。自分がこれから生活する場所を選ぶのですから、どんな生活を送りたいかのイメージを作って、客観的な判断基準を用意しておきましょう。

資料請求(施設へ連絡、または一括請求しましょう)

施設を比較するために、資料請求をして複数の施設を見比べてみましょう。というのも資料請求は施設を選ぶうえでとても大切な第一歩でありますが、手軽に請求できますので、どんどん取り寄せて情報収集しましょう。

資料を取り寄せるこの段階では、1か所にこだわらずに、さまざまな施設を見比べて違いをみてみましょう。施設に一軒ずつ連絡していくのはとても手間がかかあります。でも、下記のようなサイトで一括請求できますので、ぜひ利用しましょう。資料を集めたら、下記のチェックリストを片手にもちながら、比較して、ご自身の希望により近い施設を探していきましょう。


施設の机上比較にはチェックリストが有効

施設選びでおすすめなのは、客観的な判断基準としてチェックリストを用意し、気になった施設を確認していくことです。チェックリストを使うことで、自分の希望する条件に近い施設を見つけやすくなります。また、すべての条件を満たさなくても、複数の施設を比較検討する場合には、判断材料として使えます。

  • チェックリストに入れると良い項目
  1. 立地
  2. 費用
  3. 雰囲気
  4. 居室の設備
  5. 共用スペースの設備
  6. 医療・受診サービス
  7. 受けられる介護サービス
  8. 食事
  9. 契約内容

チェックリストには上記の9つの項目を入れておきましょう。

これら9つのチェック項目を施設ごとに確認していく際には、自分自身にとってどれが譲れないポイントなのか、どれを優先するのか、など考えておきましょう。

お金の算段

チェックリストにもいれてありますが、お金の算段、費用がはじめにどれくらいかかって、毎月どれくらいかかるのか、それらを自分自身がどれだけ用意できそうか負担できそうか、を考えるために、「1か月の利用料金がどれくらいになるのか」「定められた金額以外にも別にかかる費用があるのか」などの確認をしておきましょう。

  • 入居費用と準備費用もさまざま

介護保険法に基づいて建てられた施設は、利用料金が大きく異なりません。でも、民間の施設の場合には利用料が大きく異なってきます。とくに、有料老人ホームは、設備やサービス内容などが施設によってそれぞれ大きく変わります。有料老人ホームのイメージは、少し前までは「高額な入居一時金を支払わなければ入れない」「経済的に余裕がある高齢者が入所する」といったものでした。でも、現在では比較的手頃な金額でも利用できる施設も増えてきており、入居一時金が不要な施設もあります。有料老人ホームの場合、費用を大きくに分類すると、

  1. 入居一時金
  2. 基本料金(部屋代や食事代など)
  3. 生活費(洗濯など)

です。

入居一時金や基本料金などは、ホームページやパンフレットで確認できますので、気になる施設があれば料金を調べてみるとよいでしょう。

施設の見学(足を運んでみましょう)

ある程度入所したい施設を絞りこんだあとは、実際に現地に行って、見学してみましょう。そして、そこでより詳しい説明を聞いてみてください。また、体験入所ができる施設もありますので、その機会もぜひ活用してください。

見学はできるだけ多くの施設に足を運んでみましょう。そこでは資料では得ることのできない施設の雰囲気や生活の様子などを、肌で感じ取れるでしょう。実際に施設を訪問することにより、そこでの生活がイメージしやすくなります。また、複数の施設を見比べることによって、それぞれの施設の特徴や良さを感じられます。施設は、これから生活を送っていく場所、すなわち「わが家」と同じなので、これまでやってきた住むための物件選びと同じように慎重に行いましょう。

  • 施設見学のポイント
  1. 利用者・スタッフなど“人”を観察しよう
  2. 初めて足を踏み入れる場所では、建物や設備など形のある目に見える部分に意識がいきがちです。でも、高齢者施設や老人ホームの見学では、を見ることが大切です。まずは、利用者の様子や表情、スタッフの声かけや立ち振舞いを見てみましょう。利用者が活動的だったり、楽しそうにしていますか?スタッフにも笑顔があったり、余裕が感じられますか?利用者にもスタッフにも明るい雰囲気がある施設は、良い施設といえるでしょう。一方で、利用者が座った状態で眠っていたり、スタッフだけが慌ただしくあちこち走り回っていたりする場合もあります。このような施設は、なぜそうなっているのか、という観点でじっくり観察してみましょう。

  3. 見学に最適な時間帯は?
  4. 見学の時間は、ズバリ昼食前が最適です。昼食前に行き、昼食の様子を見せていただきましょう。というのも、高齢者の気持ちをよく理解している施設は、食事にも気を配っているだけでなく、メニューや食器などにもこだわっているようです。利用者の方が楽しみながら昼食を摂っていますか?残している人はいますか?
    メニューや使われている食器など、あなた自身が「おぉー、食べてみたい!」と思うようなものですか?

    実は設備もポイント!

    また、意外なところかもしれませんが、チェックリスト3.居室の設備が実は重要だったりします。というのも、これまで住んでいた設備に慣れているために、新しい設備になると、ちょっと勝手が違うところが出てきます。たとえば、部屋のスイッチ。部屋のスイッチがこれまで慣れ親しんだものと比べて、スイッチの位置の高さが高かったり低かったりする場合があります。出入口に立ってみて、スイッチがこれまでのように手を伸ばしたあたりにあるのか、もう少し手を伸ばさないといけないかどうか、というところも住み心地に影響します。ただ、こういうものは設備を実際に見ないとわからないところですので、見学時には確認するようにしましょう。

高齢者施設や老人ホームでの食事

毎日の生活のなかで避けて通れないものの1つとして食事があります。食事の内容を気にされない方もいらっしゃいますが、年を重ねるにつれて食事が一番の楽しみになっていく人もいらっしゃいます。

高齢者施設や老人ホームでの食事内容や提供方法も大切!

施設に入所する場合に、提供される食事の内容や味付けが自分の嗜好に合うかどうかというのはとても大切な点です。

高齢者にもなると食事は、パワーの源、元気の源と言えます。食べることは噛むことにつながり、そして体力作りや健康の維持に大きく関わってきて、さらには精神にも影響していくと言われています。
質の高いサービスやケアを提供している施設の場合は、食事にも同じくいろいろな配慮がなされています。
栄養のバランスはもちろん考えられており、味付けや盛り付け、見た目、旬(季節)や行事ごとのスペシャルメニューで非日常を体験できる雰囲気、食器の選び方など、たくさんこだわっているところが多いです。
老人ホームの入所を検討する際に、見学をお昼前などの時間にすると、提供されている食事を実際に目で見て確認できます。

高齢者施設や老人ホームで提供される食事、2つのチェックポイント

食の好みというのものは人それぞれで違うものですよね。施設で食を楽しむために、自分の食に関する嗜好をどこまで反映してもらえるか確認しましょう。施設での食事は、栄養のバランスの偏りがないメニューを考えるのに苦労されているそうですが、それを踏まえた上で、自分の好みに合った味付けや量など配慮してもらえるのかをあらかじめ聞いておくと良いです。

それから必ず聞いておくこととしては、医師からの指示がある食事内容について対応できるかというところです。例えば、塩分の制限、カロリーの制限、アレルギーを起こしたりする食べてはいけない食材などがあります。体調を崩さないためには必要ですので、事前にしっかりと確認しておきましょう。毎日を楽しく快適に過ごすために、自分に合わせた食事を提供してくれ、医師の指示通りの対応をしてくれる施設を選びましょう。

高齢者施設や老人ホームで提供してくれる、旬(季節)や行事のスペシャルメニューとは?

良い老人ホームは、食事で栄養バランスの他にいろいろな工夫をしていると上に記載しました。まずは旬。食事からその時その時の季節を感じられるように、旬の食材を用いて調理を工夫しています。例えば、夏であれば、オクラを使った七夕そうめんとか、冬は白菜や春菊などの野菜たっぷりなアンコウ鍋など、その季節の味覚を味わえるのは、食べる側にとっても刺激になって良いです。

次に行事。四季折々の行事に合わせたメニューを考えて提供される施設もあります。お正月、ひなまつりや節分など日本の伝統的な行事が感じられるメニューが用意されたり、イースターやクリスマスといった日本以外での行事についても考えられたメニューが用意されます。

スペシャルメニューとして提供される特別な食事というのは、毎日の暮らしをより楽しくするだけでなく、食欲を増進したりする効果も期待できます。食事中に他の施設入居者との会話が弾んだり、昔を懐かしんだり、自分が持っている知識を披露できたりと、良い面がたくさんあります。

試食で高齢者施設や老人ホームの食事のチェック

施設での食事の大切さが分かっても、実際に自分の口で食べてみないと納得できないと思われるでしょう。施設によっては、入所する前に試食付きの見学会や体験入所などをしているところがありますので、その場合には実際に食事をして確かめてみましょう。試食に対応していない施設だと、もし入居者に知り合いがいた場合にはその人に聞いてみましょう。それから、施設の担当者に聞いたほうがよいポイントとして、食事の提供方法があります。

施設によって、食事の提供する方法が異なっていて、最近は、外部の給食センターなどから手配して、温めて提供する、いわゆるレトルトパックの食事が増えている傾向にあります。もちろん、管理栄養士や調理師がいて、施設内の厨房で調理するところもまだまだあります。レトルトパックでも最近はとてもおいしく調理されているものが多いので、レトルトと言うだけで善し悪しを決められません。施設が食事に関してどれくらい工夫しているかを聞いてみると、その施設がいかに食事を大切にしているのかが分かります。例えば、バイキングの日・行事食・アンケートをしてその内容を反映しているかといった、食事に関する施設のこだわりを聞いてみると良いでしょう。

施設の掲示板には、たいていその日のメニューや1カ月の献立などが掲示されていますので、見学で訪れた時には掲示板も忘れず確認しましょう。自宅では、自分の好きなものを好きなだけ食べられる自由がありますが、施設ではなかなか難しい場合が多いのですが、自宅だと偏りがちな栄養のバランスを考えていろいろなメニューを提供してもらって味わえ、それが施設で提供される食事のメリットです。良い施設は、高齢者の毎日の楽しみの1つとしての食事が重要だと深く理解し、いろいろな工夫を凝らしています。

契約

契約内容については、きちんと内容を確認してから同意しておかないと、後々「ここまでやってくれると思っていた」とか、「そんなことで退去を求められるとは思わなかった」などトラブルの元になりかねませんので、契約書に書かれている内容について、入所条件等をきちんと説明を受けてから同意するようにしましょう。

  • 施設の入所条件は施設の種類や施設ごとに違う

高齢者の施設は、誰もが入所できるわけではありません。介護保険法に定められている条件や、持病の内容次第によっては入所できない場合もあります。高齢者の入所施設にはさまざまな種類があり、近年ではさらに多様化してきていますので、入所条件もさまざまで、わかりにくい場合があります。たとえば、「特別養護老人ホーム(特養)」など介護がつねに必要な方が入所する施設は、自立して日常生活が送れる方ですと入所できない場合もあります。また「サービス付き高齢者向け住宅」などの施設では、身の回りのことがある程度できるのが条件になる場合もあります。

  • 入所後に退所しなければならない場合はある?

ところで、「元気な方が入所できる施設に入った後、加齢や病気、ケガなどで介護が必要になったら場合にどうすれば良いのだろう?」と言うところは気にされるポイントではないでしょうか。介護が必要になってしまうと、退去しなければならない施設もあります。これは、設備の問題だけではなく、看護師がいないとか夜勤の介護スタッフがいないなど、さまざまな理由が考えられます。

したがって、施設を選ぶ際には、入所はいつまでできるのか、どういった状態であれば入所できるのか、どういった状態になると退去しなければならないか、をしっかり聞いておく必要があります。万が一の事も視野に入れて、複数の施設に対して、入所条件、退所条件を把握すると良いでしょう。

  • 持病によっては入所を断られる場合も

身の回りのことができるとしても、持病や治療内容によって、入所ができない場合があります。基本的に、高齢者施設では、病気が慢性的で落ち着いている状態であることが入所条件になります。

しかし、慢性的な病気でも、医療として管理する必要度合いが高い病気の場合、入所ができないこ場合もあります。でも、施設に看護師がいれば、処置が必要な方でも入所できる可能性がありますので、あきらめずにまずは施設に相談してみてください。

入居しようとなった場合には、契約書に同意しなければなりません。でも、契約の時には次のような注意点を確認しましょう。

施設入居の契約に関する注意点

必ずおさえておかないといけない点は、入居金額と入居条件です。「有料老人ホーム」などでは、「入居一時金」が入居時に必要になる場合があります。「入居一時金」はある程度まとまった金額になるため、きちんと準備しておきたいものですが、施設によっては、「入居一時金0円」というところもあります。また、病気やケガなどで入居後に退去しなければならない場合もあります。入居後すぐの退去になるような場合、一時金が返金されるかどうか、必ず確認しておきましょう。

入居する側、施設側、お互いに気持ちよく利用するためにも、契約書にはしっかり目を通し、確認し、納得したうえで利用しましょう。また、施設ごとに利用条件が異なる点にも注意しましょう。それから、自立した方が利用できる施設で介護が必要な状態となった場合、入居継続が困難な場合があります。このような万が一の事態に備えて、「次の施設を紹介してくれるかな」「困ったときの相談体制が整っているかな」という点も、施設を選ぶポイントとなるでしょう。

いかがでしたか?施設を選ぶ時のポイントについて、ご紹介しました。今回のポイントをふまえて、ご自身の希望に合った施設を見つけましょう!

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