介護老人保健施設(老健)の特徴とメリット・デメリットとは?

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介護老人保健施設は、主に医療ケアやリハビリが必要な要介護の高齢者を受け入れており、65歳以上の方が対象になります。この施設は、介護保険法第8条第28項によって定められた、厚生労働省が管轄しているものです。提供されるサービスとしては、食事や排泄の介助などの介護サービスで、提供される目的は自宅などに戻るためのリハビリが中心となります。介護老人保健施設は略して「老健」とも呼ばれています。

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介護老人保健施設(老健)ってどんなところ?

介護老人保健施設は、介護老人福祉施設とも呼ばれる特別養護老人ホーム(特養)と同じように、入居して介護サービスを受けることができる施設です。でも、介護老人保健施設では、自宅復帰を目指してリハビリするための施設なので、一定期間が経過すると退去しなければならないことが前提になっています。

介護老人保健施設(老健)の特徴は?

上で書いたように、介護老人保健施設(老健)は、要介護高齢者(要介護1以上、65歳以上)の自宅復帰を目指すために、医師による医学的な管理のもとで看護サービスおよび介護サービスを提供する施設です。さらには、作業療法士や理学療法士等によるリハビリや栄養管理・食事・入浴などのサービスを提供しています。また、利用者ひとりひとりの健康状態や目標に合わせた個別プログラムを、医師をはじめとする専門スタッフにより提供されていたり、看護師が24時間常駐していたりする施設も多いです。

自宅復帰を目標としていることから、入居期間は原則3~6ヶ月の期間と限定的になっていますが、実際はリハビリがうまく進まないために、目標とする身体機能の状態まで回復できていないとか、家族側の自宅での受け入れ態勢が整っていない、といった理由から、6ヶ月の期間を越えても自宅に帰れない場合があります。老健の入所基準は、65歳以上で要介護1以上の高齢者と定められていますが、40歳以上64歳以下の場合であっても、特定疾病により介護認定がおりている方だと、入所できることになっています。ただし、看護師が24時間常駐していない施設の場合に、入所基準を満たしていても、夜間のたんの吸引や点滴といった医療行為の種類によっては受け入れができないケースもありますので、各施設に問い合わせてみてください。

介護老人保健施設(老健)のメリットは?

  • 在宅復帰を目指すことができる
  • 介護をサポートするいろいろなプロフェッショナルが連携して、家庭環境や状況に合わせた個別プログラムを作成してもらい、在宅復帰を目指すことができます。また、自宅で必要になる福祉用具や住宅改修などに関しても具体的なアドバイスをもらえ、在宅復帰後まで見据えたサポートが受けられます。

  • 機能回復訓練が充実
  • 理学療法士や作業療法士などのリハビリを専門とするスタッフが常駐し、個人の計画書に基づいた機能回復訓練を受けることができます。機能回復訓練のための器具や用具が充実しているため、生活全体が機能回復訓練につながる工夫がされています。

  • 手厚い医療ケア
  • 医師が常勤、看護師が24時間常駐していますので、医学的な管理の下で安心して生活を送ることができます。たんの吸引、経管栄養などの医療的処置にも対応でき、薬も施設で処方されます。

  • 費用の安さ(民間施設と比較して)
  • 公的な施設であるため、初期費用は無料で、月額費用は9~20万、月額費用の内訳は居住費、食費、介護サービス費、サービス加算となります。それ以外の費用としては洗濯代、娯楽費、ヘアカット代などを実費で負担します。有料老人ホームなどの民間施設と比較して安い料金で、さらに所得の少ない方の場合には、住居費や食費が減免される費用軽減措置(4段階)を受けることができます。

介護老人保健施設(老健)のデメリットは?

  • 限定的な入所期間
  • 自宅復帰を目的としているため、入所するのは3~6ヶ月の期間限定であり、終身利用をすることはできません。

  • 共同部屋が多い
  • 部屋は多床室(4人部屋)が多く、2人部屋や個室の場合は特別室料(差額ベッド代)が加算されます。他人との共同生活が苦手な人には暮らしにくいかもしれません。

  • 生活支援サービスは不充分
  • 入浴介助や排泄介助などの身体介護サービスは当然受けられますが、洗濯や買い物代行といった生活支援サービスはあまりありません。
    洗濯物は家族が持ち帰って洗ってもらうか、それができない場合には外部業者にお願いすることになります。

  • レクリエーションやイベントも不充分
  • レクリエーションはあくまでも機能回復訓練につながる内容であるため、楽しさを追求した内容のものや季節ごとのイベントなどはあまり行われていません。

介護老人保健施設(老健)説明のまとめ

老健は、入居者1人1人に対して、多くの専門職スタッフが連携・協働して自宅復帰を目指す施設です。そのため、スタッフ間のコミュニケーションやチームワークによって、介護・看護・機能回復訓練の質に影響します。老健を見学する際には、入居者の状況や、スタッフの入居者に対する動きだけではなく、スタッフ同士のチームワークがきちんと取れているか、コミュニケーションを密に取っているか、といった点も意識して目を向けるようにしましょう。

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