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ケアハウスという施設(2008年までは軽費老人ホームと呼ばれていたものがケアハウスという名称に統一)があります。費用が通常の老人ホームと比べて低料金であるために、低所得者や生活保護受給者でも入居ができる施設であることから、これから利用希望者がどんどん増えていくことが見込まれます。
ケアハウスってどんなところ?
ケアハウスには、「一般型」と「介護型」と呼ばれる2種類のタイプの施設があります。
ケアハウスのタイプの特徴は?「一般型と介護型って何?」
では、ケアハウスの「一般型」と「介護型」、それぞれどんな特徴があるのでしょう。
- 一般型
「一般型」は、身内など親類の身寄りがなくて、1人での生活に不安がある60歳以上の方が入居可能な施設です。提供されるサービスとしては、掃除、洗濯などの生活支援や食事の提供、緊急時対応などが含まれます。費用の目安として、初期費用が0~30万円程度、月額の費用が6~20万円程度ということですが、入居される方の収入により、月額費用のうち、事務費が軽減されるという特徴があります。
それから、介護サービスは常設しておりませんので、介護が必要となった場合には、外部の介護サービスを別途契約する必要があります。契約できない場合には、退去しなければなりません。介護度が軽い場合、外部サービスの利用で賄えることが多いですが、要介護3以上になると退去することが多いようです。
- 介護型
「介護型」は、介護保険法の『特定施設入居者生活保護』という指定を受けた施設であり、常勤スタッフによる介護サービスが受けられます。1人での生活に不安があり、要介護度が1以上で、かつ65歳以上の方が入居可能な施設です。「一般型」と同じサービスに加えて、食事時や入浴時、トイレ利用時などでの介助、リハビリのような機能回復訓練や通院の付き添いといったサービスが提供されます。初期費用は0~1,000万円と「一般型」よりも高くなる傾向にありますが、月額の費用は6~20万円と「一般型」とだいたい同じ程度となっています。
「介護型」は要介護度が上がった場合も住み続けることができ、さらには看取りまで行う施設もありますが、現状では2,000施設ほどと数が少ないので人気が集中しており、すぐ入居することができず、入居待ちとなってしまうことが多いようです。
ケアハウスの入居条件は?
入居条件も、「一般型」と「介護型」では違いがあります。
- 「一般型」での入居条件
「一般型」の入居条件として、まず入居対象者を60歳以上で「健康状態には問題ないものの、自立した生活をするは不安がある」という方としています。サービスとしては食事、洗濯、掃除といった身の回りのサポートがあります。
- 「介護型」の入居条件
「介護型」は入居対象を65歳以上で要介護1以上としており、軽度の認知症であったとしても問題なく入居が可能です。サービスとしては、「一般型」のサポート内容に加えて、介護サポートも受けることができます。
ケアハウスの「一般型」と「介護型」でサービスの違いは?
上で少し触れていますように、「一般型」と「介護型」では介護サービスが有るか無いかが大きな違いです。「一般型」には介護スタッフが勤務しておらず、食事の提供や生活支援サービスが基本で、介護サービスを受ける場合は外部業者と契約する必要がある一方で、「介護型」では、介護職員、あるいは看護職員が要介護者3人に対して1人以上常勤しているので、食事時、入浴時、トイレ利用時などでの介助サービスを受けることができます。
ケアハウスのメリットは?
ケアハウスのメリットとして、以下の2つが挙げられます
- 費用が他の老人ホームと比べて低価格
- 特定施設指定を受けた介護型なら介護度が重くなっても安心
ケアハウスに人気が集まる理由として、費用が安いということが挙げられます。「一般型」、「介護型」ともに、施設や月額費用が6~20万円程度と、他の施設よりもすこし安価になります。また、年間の所得金額によって事務費用を軽減できる可能性があり、月額費用が安くなる場合がありますので、低所得の方でも入居しやすい施設となります。
「介護型」では、一般型と違って介護サービスが施設で受けられるために、介護度が上がったとしても、そのまま入居し続けられるというメリットがあります。そのため、体の自由が利かなくなるくらい要介護度が重くなってしまってから施設を転々としなければならなくなるというストレスを味わうことなく、住み慣れた施設での暮らしを継続できます。したがって、介護型ケアハウスは安定した老後を送るのに最適な施設の一つであるという事ができます。
ケアハウスのデメリットは?
ケアハウスのデメリットとして、以下の2つが挙げられます
- 介護型が人気で、入居待ち期間が長い
- 入居者の年齢層が高め
- Category: 一般情報
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ケアハウスは有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に比べて費用が安いので、人気がある施設です。したがって、「特別養護老人ホーム」ほどではないものの、入居待ちを強いられることが多いです。短い場合でも1ヵ月ほど、長い場合には1年以上の待機期間を覚悟しなければならなこともあります。複数のケアハウスに申し込みをしたり、待機している間にも他の施設も視野にいれて探しておくことも大事です。
入居される方の年齢層がやや高く、60代の方はちょっと生活しづらい感じを受けるかもしれません。ケアハウスは個室での生活であるので、個人のプライバシーは守られてはいるものの、食事やレクリエーションなどについては共同生活の場で過ごす必要がありますので、体験入居や施設の見学の際に、すでに入居されている方々の年齢層を確認して、自分自身が馴染めることができるか考えておくことも大事です。
ケアハウス説明のまとめ
いかがでしょうか?ケアハウスは他の施設と比べて価格が安く、人気があり、入居待ちが多いため、気に入ったケアハウスがあれば早い段階で見学や入居希望を出しておきましょう。